舌下免疫療法Sublingual immunotherapy
舌下免疫療法について
スギとダニが原因のアレルギー性鼻炎の根治が期待できる舌下免疫療法です。
抗アレルギー薬による症状を抑える従来の治療との違いは舌下免疫療法は体質を改善し症状そのものを無くす効果が期待できる点です。
体質改善を目指す治療ですので治療期間は2年~5年程度と長くなりますが、毎日薬を服用するだけですので習慣になるとほとんど負担を感じられないようです。
舌下免疫療法の仕組み
舌下免疫療法はアレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ服用する治療法です。
少量ずつ毎日服用することで体質を改善していきアレルギー反応を弱める治療法です。
このような方にお勧め
- アレルギーの薬を飲むと眠くなる方
- 花粉症などで薬を飲んでも症状が治まらない方
- 小学生や中学生で受験を考えている方
通常の薬で効果が感じられない方や将来妊娠する時に薬を飲みたくない方など通常の薬を服用したく無い方などにお勧めの治療法です。
5歳未満の方や妊娠、授乳中の方、重い気管支喘息の方などこの治療を受けられない方もいらっしゃいますので希望される方は一度ご相談ください。
舌下免疫療法の効果
臨床試験の結果8割の方が効果を感じられています。
- 2割の方が症状が出なくなる
- 6割の方が症状が軽くなる
という効果を得られています。
早い方では治療開始後1か月から症状が軽くなるなどの効果を感じられます。
舌下免疫療法の副作用
- 唇の腫れ
- 口の中のかゆみや違和感、腫れ
- のどのかゆみや違和感
などの副作用を感じられる方がいらっしゃいます。
想定される副作用としてアナフィラキシーがありますが今のところ報告はされていません。
舌下免疫療法の始め方
舌下免疫療法は血液検査を行ってスギ、もしくはダニにアレルギー反応があることを確認してからの開始となります。
2か月以内の結果であれば他のクリニックの検査結果でも治療を開始できます。
副作用が出る可能性がありますので初めて服用する際はお薬を院内で飲んでいただき、30分院内で様子を見ていただきます。
治療を開始してからの1か月は週に1回通院していただき、治療の効果や副作用の有無を確認しますが、状態が安定すれば1か月に1回の通院のみとなります。
病気についてDiseases
耳の症状
- 耳の痛み
- 耳が聞こえにくい
- 耳鳴り
- 耳がつまった感じ
耳の主な病気
外耳炎(外耳道炎)
外耳とは耳の穴から鼓膜までの部分のことで、ここに炎症が起きることを外耳炎(外耳道炎)といいます。
耳のかゆみや痛み、耳だれなど様々な症状があります。
外耳炎(外耳道炎)になった場合は「治癒するまで一切触らない」ことが大切です。
外耳炎(外耳道炎)の症状
- 耳の痛み
- 耳のかゆみ
- 耳だれ
- 耳の詰まった感じ
- 難聴
外耳炎(外耳道炎)の症状としては、多くの場合耳のかゆみや痛みがあります。
人によっては耳が詰まったような感じがしたり、音が聞こえにくくなります。
外耳炎(外耳道炎)の治療
耳の中を清掃し、お薬を患部に塗ります。
耳の中を綺麗に保つことが大切ですが、治癒するまでは絶対に自分で耳を触らないでください。耳かきや綿棒を使用して耳掃除をすることもいけません。
外耳の皮膚が弱いため、耳掃除をするとかえって傷つけてしまい症状を悪化させてしまいます。
普段の耳掃除も耳かき等を使わず、軽く指で拭くくらいにすると外耳炎(外耳道炎)を予防できます。
耳の炎症が強い時は抗生剤を使用し、炎症を抑えることもあります。
外耳炎(外耳道炎)の原因
耳掃除をした時などにできる擦り傷やひっかき傷から細菌が感染することで発症します。
外耳の皮膚は非常に弱いため耳かきや綿棒を使用すると簡単に傷つきます。
ですから耳垢が気になる時は耳鼻咽喉科を受診し医師に取ってもらうようにしてください。
耳掃除について
耳垢は会話や咀嚼などの顎の動きで自然に外に押し出されます。このため、耳掃除の基本は外まで運ばれてきた耳垢を拭きとる気持ちで、耳の穴から1cmくらいまでのところを優しく掃除してください。
奥の耳垢が取りにくい場合は、無理に取らずに耳鼻咽喉科を受診してください。
特に小児の場合は、症状の無い中耳炎が潜んでいる場合がありますので、耳の健康診断を兼ねて定期的に耳鼻咽喉科で耳掃除することをお勧めいたします。
急性中耳炎
ほとんどの子供が一度はかかると言われており、小学校入学までに約60~70%の子供がかかると言われています。
耳の痛みや、耳が詰まった感じ、聞こえづらさに加えて発熱などの症状があります。
乳幼児の場合、症状を言葉に出して伝えられないため、「音が聞こえにくそう」「頻繁に耳を触る」などの場合は一度耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めいたします。
急性中耳炎の症状
- 耳の痛み
- 発熱
- 耳だれが出る
- 耳の聞こえが良くない
- 耳が詰まった感じがする
などの症状があります。
また、乳児では不機嫌で乳を飲まなくなったり、激しく泣いて泣きやまないこともあります。
急性中耳炎の治療法
当院では症状や、年齢などを総合的に判断し治療方針を決定いたします。症状が軽症の場合
症状に応じて抗生剤(抗生物質)と、発熱や痛みを抑えるためのお薬を飲んでいただきます。
抗生剤(抗生物質)は必要な場合に処方いたします。
症状が重い場合
鼓膜の腫れ等がひどい場合や、激しい痛みや発熱、頭痛などがある場合は、鼓膜の奥に溜まった膿を排出するために鼓膜に小さな穴をあけます(鼓膜切開)。
鼓膜は再生能力が高いため、切開をしても3~4日でふさがります。
鼓膜切開については医師の間でも判断がわかれるところであり、保護者の方のご意向を伺いながら治療を進めていきます。
急性中耳炎の原因
鼻と耳を繋ぐ、耳管といわれる管を通じて細菌が、中耳と呼ばれる鼓膜の奥の空間に侵入して発症します。
耳に水が入ったからといって中耳炎になることはありません。
特に子供の場合は、大人に比べて耳管が太く、短い上に傾きが緩やかなため、細菌が侵入しやすく、容易に急性中耳炎になります。
子供が熱をだしているような場合や、鼻水が出ている時は、たかが風邪と侮らず、耳鼻咽喉科を受診し、耳やのど、鼻の状態を医師に確認してもらうようにしましょう。
慢性中耳炎
急性中耳炎が完全に治癒せず、中耳が慢性的な炎症状態になったものです。
鼓膜に穴が開いたままとなり、耳小骨と呼ばれる音の振動を伝える骨にまで影響を及ぼすため聞こえが悪くなります。
さらに真珠種性中耳炎と呼ばれる症状の進行が早く、中耳周辺の骨を破壊する特殊な中耳炎もあります。
こちらは真珠種が大きくなるにつれて骨が破壊され、めまいや、顔面神経麻痺など様々な合併症を引き起こす可能性があります。
慢性中耳炎の症状
- 耳だれ
- 難聴
- 耳鳴り
患者さんによってはめまいなどを伴う場合があります。
慢性中耳炎の治療
医師による耳の清掃などの処置と、抗生剤や、点耳薬で炎症をコントロールし、耳だれを抑えることができます。
しかし、鼓膜に穴が開いた状態のため、簡単に症状が再発します。
根本的に治癒させるためには鼓膜の穴をふさぐ手術が必要です。手術を希望される方は近隣の総合病院を紹介いたします。
慢性中耳炎の原因
慢性中耳炎は、幼少期の頃に中耳炎を繰り返していて適切な治療を行わなかった場合や、長期間中耳に炎症がある状態のままにしておくことが原因です。
また鼻と耳を繋ぐ耳管の働きが悪いことも原因となります。
子供はかぜから急性中耳炎になりやすいので、慢性化させないためにも早期に治療を行うようにしましょう。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は痛みがあまり無く、発熱もない場合があり、保護者の方が疾患に気が付かないことがあります。
子供の場合、家族の方が呼びかけても振り返らない、テレビの音を大きくするなど、聞こえが良くなさそうであれば早期に耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。
滲出性中耳炎の症状
- 難聴
- 耳が詰まった感じ
- 耳鳴り
発熱や耳の痛みなどを伴うことはあまりありません。
聞こえに影響を及ぼしますので幼小児の場合、言語習得が遅れることがあります。
滲出性中耳炎の治療
鼓膜の状態や、聞こえの状態を確認し症状の度合いを確認した上で治療を行います。
滲出性中耳炎の治療のポイントは、「しんぼう強く治療」をすることです。耳の治療だけでなく、原因となっている鼻やのどの治療も行うことが大切です。
難治性の場合
治療を継続してもなかなか治癒しなかったり、再発を繰り返す場合は鼓膜切開や、鼓膜チューブ挿入術と呼ばれる切開した鼓膜にチューブを設置する治療を行うことがあります。
チューブを挿入することで切開した穴がふさがるのを防ぎ、継続的に中耳の換気を行うことができます。
挿入したチューブは2~3か月で自然と外れ、鼓膜の穴もふさがります。
滲出性中耳炎の原因
急性中耳炎の治療が不十分だったり、慢性の扁桃の炎症が耳管を通して中耳に侵入して発症します。
滲出性中耳炎は子供だけでなく、ご年配の方も発症しやすいと言われています。
ご家族で耳の聞こえが普段と違うなと思われる方がいらっしゃいましたら、滲出性中耳炎やその他の耳の疾患の可能性がありますので、耳鼻咽喉科へ通院させてあげてください。
突発性難聴
突発性難聴は内耳の神経が障害されて、突然片側の耳の聞こえが悪くなる疾患です。まれに両側の耳に発生することもあります。
この疾患は、発症して1週間以内に治療を開始することが重要です。可能であれば48時間以内に治療を開始することが望ましいとされています。
1か月を経過すると治療効果がほとんど期待できなくなります。
一般的に40~50代の方に多いと言われていますが、最近では若い方も増えているようです。
突発性難聴の症状
- 難聴
- めまい
- 耳鳴り
老人性難聴などとは違い、ある日突然聞こえが悪くなることが特徴です。
難聴の程度は個人差が大きく、日によって聞こえが変わることはありません。
突発性難聴を発症した患者さんの約3割がめまいを伴います。
突発性難聴の治療
突発性難聴は適切に治療を行えば、患者さんの3分の1方は完治し、3分の1方は難聴や耳鳴りは残るものの症状が軽くなり、残りの3分の1の方は残念ながら治癒しません。
当院では、聴力検査を行い聴力の状態を確認した上で、発症してからの日数や年齢などを考慮し治療方針を決定いたします。
治療方法としては、ビタミン剤や、循環改善薬、ステロイド剤を処方いたします。
ステロイド剤というと、副作用等のイメージがあるかと思いますが、突発性難聴の治療で使用する場合はほとんど考えなくて良いでしょう。
場合によっては入院による治療が必要となることもあります。
突発性難聴の原因
残念ながら現在のところ、突発性難聴の確実な原因はわかっていません。
ただ、「ウイルス感染」や「内耳の循環障害」が原因と考えられています。
その他にも「ストレス」が原因になると考えられています。
突発性難聴の原因ははっきりしていませんが、治療の開始が遅れると回復が見込めないことはわかっているので、聞こえに違和感がある場合はできるだけ早期に耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳鳴り
何も音が鳴っていないのに音が聞こえる状態を耳鳴りと言います。
人によって聞こえる音は様々で「ピー」という高い音や「ゴー」という低い音が聞こえます。
実は多くの方が耳鳴りを経験されています。しかし、一過性の(慢性的でない)耳鳴りはほとんどの場合心配いりません。
耳鳴りの症状
周りで何も音が鳴っていないのに様々な音が普段から聞こえるものを耳鳴(じめい=耳鳴り)と言います。誰も話していないのに話声が聞こえる場合や、笑っていないのに笑い声が聞こえるものは幻聴と言い、耳鳴りとは別です。
基本的にこの耳鳴りは本人にしか聞こえず、他の人が聞くことはできません。
まれに聴診器を当てると耳鳴りが聞こえるケースがあります。これを他覚的耳鳴と言います。
耳鳴りの治療
耳鳴りの原因は人によって違うため一律の治療方法はありません。
耳鳴りの治療は原因を特定することから始まりますが、残念ながら原因不明の耳鳴りもたくさんあります。
内耳の障害によって発生する耳鳴りは突発性難聴を伴うことが多く、そのような場合にはまず、難聴の治療を行います。
その他にも、TRT(音響療法)という治療法があります。これは耳鳴りを止めるための治療では無く、人工的な雑音を聞くことで耳鳴りを感じづらくする治療法です。
普段生活している中で、電子機器が発生する作動音などはそれほど気になりません。それは脳が自動的に雑音と認識し、意識しないように処理をしてくれているからです。
TRTも原理は同じで、感じている耳鳴りを意識しないようにする治療法です。
耳鳴りの原因
耳鳴りの原因は様々で現在のところ確実なものはわかっていません。
ただ、一般的には内耳の障害によって発生していると考えられています。
内耳が原因でなくとも、音が伝わる回路のどこかに障害が発生していると考えられるため、どこに障害が起きているのかを特定しその原因を治療することで良くなることがあります。
音が伝わる回路以外にも、血管性耳鳴という脳の中の血管や、心臓が原因で発生する耳鳴もありますので、突然「ザー、ザー」という水が流れるような耳鳴りが聞こえるようになった場合は、早期に医療機関を受診されることをお勧めいたします。
めまい
「天井がぐるぐる回る」など回転感のあるめまい、「雲の上でも歩いているようなフワフワした感じ」などの動揺性のめまい、たちくらみや歩く時に足元がふらつくなどの平衡失調などがあります。
めまいの起こり方がどんな状況の時に、どんな姿勢で、どんなめまいがどれくらい続いたか、まためまい以外の症状の有無を正しく伝えていただきますと、めまいの病気の診断と治療に大変役立ちます。
めまいの病気にメニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴、脳または全身の異常で起こるめまいがあります。
主に薬物療法を行いますが、薬物や理学療法に効果がないめまいには、手術が考慮されます。
メニエール病
突然の回転性のめまいと難聴、耳鳴りが3大症状です。
これらの症状をくり返すとメニエール病が疑われます。
治療は薬物療法ですが、難治性の場合は手術を必要とすることもあります。
良性発作性頭位めまい症
寝起きや寝返りなど頭の位置を変えた時におこります。
回転性のあるめまいが多く、通常は1~2分で治ります。
症状が続く時には、運動による頭位理学療法を行います。
前庭神経炎
突然激しいめまいがおこり、しばしば2~3日続きます。
その後もふらつきがしばらく続きます。
風邪や腸炎の後におこることがあります。
鼻の症状
- 鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
- 鼻血
- においがわかりにくいなど
鼻の病気
急性鼻炎(かぜ症候群)について
鼻風邪(鼻カゼ)とも言われるもので、鼻の粘膜に急性の炎症が発生するものが急性鼻炎です。多くは風邪ウイルスが原因で、続いて細菌の二次感染が起こります。
細菌に二次感染することで、急性副鼻腔炎や、小児の場合急性中耳炎に移行することがあります。
急性鼻炎は2週間以上続くことはありませんので、2週間以上ねばねばした鼻水(青ばな)が続く場合は、急性副鼻腔炎の可能性がありますので、早期に耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
急性鼻炎(かぜ症候群)の症状
- くしゃみ
- 水様性鼻汁(水ばな)
- 粘性鼻汁(青ばな)
- 鼻づまり
- 発熱
などの症状があります。
患者さんによっては鼻の中が乾燥してヒリヒリしたり痛みを感じることもあります。
急性鼻炎(かぜ症候群)の治療法
ウイルス感染のみの場合は、鼻の症状を抑えるために消炎鎮痛剤や消炎酵素剤、ビタミン薬を処方いたします。
また、ねばねばした鼻水(青ばな)が続いているような細菌感染が疑われる場合は、抗生剤も処方いたします。
急性鼻炎(かぜ症候群)の原因
急性鼻炎(かぜ症候群)の主な原因はウイルス感染です。
ウイルスに感染し、鼻の粘膜に炎症が起きることで発症します。
原因となるウイルスは、RSウイルスや、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなど様々です。
急性鼻炎(かぜ症候群)を発症すると細菌感染を起こすことがあり、その場合急性副鼻腔炎や急性中耳炎に移行することがあります。
副鼻腔炎
目や鼻の周りにある空洞に鼻を通して細菌が感染し、膿が溜まる病気です。
頭が重く感じたり、鼻の中に異臭を感じたり、頭痛が起きるなど患者さんによって様々な症状が現れます。
通常、風邪などに引き続いて急性副鼻腔炎を発症し、3か月以上症状が続くと慢性副鼻腔炎と呼びます。
副鼻腔炎の症状
- 鼻づまり
- 鼻水
- 頭痛
- 頭重感(頭が重く感じること)
- 頬の痛み
- 嗅覚低下(臭いがわかりづらい)
- 後鼻漏(鼻水が喉に落ちる症状)
- 後鼻漏に伴う咳や痰
などの症状があります。
患者さんによっては歯が浮いたように感じられる方もいらっしゃいます。
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎はまず、鼻の中の粘膜の腫れを取り、副鼻腔に溜まっている鼻水や膿を外に出して、鼻の通気をよくすることが基本です。
以前では副鼻腔炎の治療というと手術が第一選択肢であることもありましたが、現在では少量の抗生剤を長期間服用する方法が一般的であり、薬だけで治る方も随分多くいらっしゃいます。
当院では薬の処方に加えて鼻の洗浄を重視しており、副鼻腔炎の患者さんにもしっかりと鼻を洗うようにしています。
慢性化してしまった副鼻腔炎の場合、状況によっては手術が必要となる場合がありますので、その場合は近隣の病院を紹介いたします。
副鼻腔炎の原因
副鼻腔は通常鼻と繋がっており、そこから換気が行われたり、何かのきっかけで入ってしまった鼻水が出てきたりします。
しかし、鼻の粘膜が腫れていると副鼻腔の換気が行われず、風邪などを原因とする鼻の中の炎症が副鼻腔にまで広がり、副鼻腔炎を引き起こします。
またウイルスや、細菌が鼻の中を通って副鼻腔に侵入し、炎症を起こすことで副鼻腔炎になることもあります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、何らかの物質(アレルゲン)に対して鼻水やくしゃみなどのアレルギー反応を示す疾患です。
アレルギー性鼻炎は、症状が出る時期によって、花粉症(リンク)に代表される季節性アレルギー性鼻炎と、通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。
こちらでは主に通年性アレルギー性鼻炎についてご紹介しますので、花粉症はこちらをご覧ください。
アレルギー性鼻炎の症状
- 水のようにさらさらした鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
などの症状があります。
全ての症状が現れる方もいらっしゃいますし、特定の症状のみの方もいらっしゃいます。
アレルギー性鼻炎の方は朝の症状にご注意を!
ほこりなどのアレルゲンは室内の床やカーペットなど低い位置に溜まっています。寝ている時は頭の位置が低くなるので、睡眠時に多くのアレルゲンを日中より多く吸っているため朝に強く症状が出ます。
また、日中は交感神経が優位に働き症状を抑えようとしていますが、寝起きは副交感神経から交感神経に切り替わるので、症状を上手くコントロールできないため症状が現れやすくなります。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギーは一度発症するとほとんど治癒することが無く、アレルギーと付き合っていくこととなります。
当院では、患者さんのライフスタイルに合わせて、眠くなりにくいものや、効き目の強いものなど様々な薬の中から適したものを選択します。
また、鼻洗いをすることで鼻水や鼻づまりの症状が楽になりますので、お気軽におっしゃってください。
症状を軽減させるために日常生活からアレルゲンを除去することも有効です。
ご自身が何にアレルギー反応を示すのかご存知で無い方は、採血をして調べることもできますので、アレルギー検査希望とお申し出ください。
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎の原因は人間が持つ防御反応が原因です。
体の中に入ってきた物質を体外に排出しようとして、鼻水やくしゃみを引き起こします。
通年性アレルギー性鼻炎の原因となる物質は、ほこりなどのハウスダスト、カビ、ペットの毛などです。また、黄砂やPM2.5なども原因になると言われています。
嗅覚障害(においがわかりにくい)
嗅覚障害とは、臭いがわからない、臭いがしないのに異臭を感じるなど、臭いに関する障害の総称です。
臭いは味覚にも関係するので、嗅覚に障害があると味覚にも障害が発生することがあります。
副鼻腔炎の症状として臭いを感じづらいこともありますが、臭いを感じる神経に障害が発生して嗅覚障害が起きることもありますので、早期に耳鼻咽喉科を受診しましょう。
嗅覚障害の症状
- 臭いがわからない
- 臭いがわかりづらい
- 臭いが無いのに異臭がする
- 少しの臭いでも強烈に感じてしまう
- 別の臭いに感じる
などの症状があります。
嗅覚障害の治療
嗅覚障害の治療は症状や程度によって異なります。
副鼻腔炎など鼻の病気が原因である場合は、そちらを治療することで症状が改善します。
その他ステロイド剤の点鼻を使用することもあります。また、ネブライザーで薬剤を鼻から吸入することも有効です。
嗅覚障害の原因
嗅覚障害は、呼吸性嗅覚障害、末梢神経性嗅覚障害、中枢性嗅覚障害に分かれます。
呼吸性嗅覚障害は、鼻の中が腫れるなどしてにおいの分子が臭いを感じる細胞に到達できないことで発症するもので、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症などが原因となります。
末梢神経性嗅覚障害は、においを感じる細胞に障害が起きることが原因で、ウイルス感染や、有害物質、加齢などが原因となります。
中枢性嗅覚障害は、嗅神経より中枢側の障害によるもので、アルツハイマー病、パーキンソン病などが原因となります。
花粉症
花粉症は、I型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患の一つで、植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされます。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴です。
治療について
治療には症状を抑えることが目的の対症治療と、花粉症そのものの治癒を目指す根治治療があります。
また、症状が出る前から予防的に薬を服用することを行う初期治療もあります。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向がありますので、できるだけ早期に当院を受診してください。
アレルギーそのものが起こらなくするようにする舌下免疫療法という治療もあります。
寒暖差アレルギー
季節の変わり目や、朝晩と昼の温度差が激しい時などに水バナがでる病気です。
正式には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、アレルギーが無くとも症状が出ることがあります。
寒暖差アレルギーの症状
- 水のようなさらさらした鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
症状としては花粉症のようなアレルギー性鼻炎の症状と同じで、熱などはありません。
寒暖差アレルギーの治療
この病気は自立神経の乱れが原因と考えられているため、根本的な治療方法は残念ながらありません。
しかし、お薬によって症状をコントロールすることはできますので、内服による治療を行います。
ご自身がどのような時に症状が出やすいかを把握して、できる限り原因を排除することで楽に生活できますので、「いつ症状が現れるのか」を把握してみてください。
寒暖差アレルギーの原因
寒暖差アレルギーの原因としては、自律神経の乱れからくる交感神経の機能低下が原因だと考えられています。
季節の変わり目や、早朝など急激に気温が変化する時、ストレスなどによって症状が現れます。
口の中の症状
- 口の中の痛み
- 味がわかりにくい など
口の中は、外出している皮膚にくらべて敏感な粘膜で出来ている部分が多くあります。痛みなどがありましたら、当院に受診してください。
口の中の病気
口内炎
口内炎は、頬の内側や歯ぐきなどの粘膜にできる炎症の症状です。
免疫力や疲労が原因といわれる「アフタ性口内炎」、ウイルスなどが原因といわれる「ウイルス性口内炎」、刺激が原因といわれる「カタル性口内炎」などの種類があります。
原因や症状によって、治療法が異なりますので、まずは、当院を受診してください。
舌痛症
舌に慢性的な痛みやしびれが生じる病気です。
見た目は通常と変わらないことが多く、痛む箇所が変わったりします。
原因等は解明されていませんが、症状を緩和するための薬物治療を行うことが一般的です。
味覚障害
味を感じない、味がうすい、常に特定の味がする、本来と異なる味がするなどの症状があり、頻度が高いのは亜鉛欠乏と薬剤性のものです。
原因が明らかな場合は原因別の治療を行います。
のどの症状
- のどが痛い
- 声がかすれる など
のどの病気
急性扁桃炎
扁桃はリンパ組織から成り立っており、体内に侵入してきた細菌やウイルスから体を守る役割を果たしています。
のどの周りには様々な扁桃組織がありますが、一般的に扁桃や扁桃腺というと口を大きく開けた時に見えるアーモンドの種子のような形をしている口蓋扁桃のことを指します。
ここに細菌やウイルスが感染して炎症を起こすことを扁桃炎と呼びます。
炎症が強くなると食事を飲み込むどころか、飲み物や唾液を飲み込むことさえ辛いほど痛みを伴いますので、のどに違和感があるな、少し痛いな、という段階で早期に耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。
急性扁桃炎の症状
- 高熱
- のどの痛み
- 全身の倦怠感
- 関節痛
初期段階では喉の腫れと痛みがある程度ですが、治療をせずに重症化すると扁桃の周囲にまで炎症が広がります。
この状態のことを「扁桃周囲炎」と呼び、さらに重症化して扁桃の周囲にも膿が溜まった状態になると「扁桃周囲膿瘍」と呼ばれ、入院が必要となる場合があります。
急性扁桃炎の治療
急性扁桃炎の治療は抗生剤による原因菌への対処と、解熱鎮痛剤による症状への対処療法を行います。
のどの痛みが強く、食事や飲み物が喉を通らない場合は点滴による治療を行います。
急性扁桃炎の原因
急性扁桃炎の原因の多くはウイルス感染です。そのほかにもブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が原因となることがあります。
通常であれば、白血球などの免疫システムが働き、細菌やウイルスを退治してくれていますが、疲れがたまっていたり体力が低下していると、免疫機能が低下し扁桃に付着した細菌やウイルスに感染します。
急性咽頭炎
咽頭とは、のどのうち鼻から食道につながる部分のことで、鼻や口を通った空気が最初に接する部分です。
そのため細菌やウイルスが付着しやすく、免疫機能が低下していると炎症を起こしてしまいます。
重症化すると物を飲み込む時の痛みも強くなりますので、早めの治療が肝心です。
急性咽頭炎の症状
- のどの違和感
- のどの痛み
- 物を飲み込む時の痛み
- 発熱
- 咳
- 痰
- 倦怠感(全身のだるさ)
などの症状があります。
場合によっては耳にも痛みを感じる場合や声が出づらくなる場合があります。
急性咽頭炎の治療
原因がウイルスの場合は、直接作用する薬がありませんので、うがい薬やトローチ、消炎鎮痛剤を処方し、症状を抑える治療をします。
細菌による場合は、上記の症状を抑える治療に加えて抗生剤を処方し、原因となる細菌の治療を行います。
嚥下機能検査
Bスポット療法
上咽頭(鼻と奥の間)の炎症に塩化亜鉛(消火剤)というお薬を塗る治療法です。
慢性的な炎症をお持ちの方は週1~2回のペースで全体で最大15回程度を目安に行います。
急性咽頭炎の原因
ウイルスや細菌に感染することが原因です。
咽頭炎の原因となる代表的なウイルスは
- コクサッキーウイルス
- アデノウイルス
があります。
また、咽頭炎の原因となる代表的な細菌は
- 溶連菌
- インフルエンザ菌(冬に流行するインフルエンザウイルスとは別ものです。)
寝不足などによる体調不良や、カラオケなどでの喉の使い過ぎ、喫煙による喉への刺激によって喉が傷つくことで、急性咽頭炎を発症しますので、十分に体調管理をしていただき、喉を使い過ぎにしないようにしましょう。
急性喉頭炎
喉頭とは喉のうち空気の通り道のことです。
声を出したり、食べ物や飲み物が気管に入ることを防ぐなどの機能があります。
飲食物が気管に入ることを防ぐ喉頭蓋という部分が炎症を起こすと、気管が閉塞し呼吸困難に陥り最悪の場合死に至ることがありますので、細心の注意が必要です。
急性喉頭炎の症状
- のどの違和感
- のどの痛み
- 声のかすれ
- 声の出づらさ
- 発熱
- 咳
- 痰
などの症状があります。
急性喉頭炎の治療
急性喉頭炎はウイルス感染が主な原因であるため、消炎鎮痛剤、去痰剤、咳止めなどのお薬を処方し、症状を治療します。
細菌感染も併発している場合は、上記のお薬に加えて抗生剤を処方し、原因の治療を行います。
急性喉頭炎の原因
多くの場合急性上気道炎(かぜ)の一部として発症します。
最初かぜの原因となっているウイルス感染が原因となり、その後に細菌感染が起こることがあります。
また、喫煙も喉への刺激となるため原因の一つとなります。
近年では黄砂や、PM2.5も原因になっていると考えられています。
インフルエンザ
インフルエンザは風邪とは違い高熱、関節痛や筋肉痛、頭痛など全身の症状が強く表れることが特徴です。
例年11月~12月に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
また、近年夏にインフルエンザが流行したこともありますのでいつもの風邪と違うな、と感じたらお早目に近くの医療機関を受診されることをお勧めいたします。
インフルエンザの症状
- 高熱
- のどの痛み
- 咳
- 鼻水
- 頭痛
- 関節痛や筋肉痛
- からだのだるさ
インフルエンザは重症化し肺炎やインフルエンザ脳症になることがありますので子供や高齢の方は特に注意が必要です。
また、成人でも重症化するケースがありますので注意しましょう。
インフルエンザの治療について
治療には抗インフルエンザウイルス薬を使用します。
このお薬は、体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを防ぐお薬ですが、体内で増殖しきってからでは効果が無いため、発症から48時間以内に使用する必要があります。
お薬は飲み薬、吸入薬、点滴薬がありますが、当院では飲み薬と吸入薬から年齢や症状によって選択します。
抗インフルエンザウイルス薬と共に症状を抑えるために解熱剤や咳止め痰切りを処方いたします。
インフルエンザの原因
インフルエンザウイルスに感染することで発症します。
ウイルスはA型、B型、C型の3つに分類されますが、流行するのはA型とB型です。
インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを呼吸と共に吸い込むことで、粘膜に付着し体内に侵入します。
侵入したウイルスはのどや気道、肺で急激に増殖し、感染2日後にはピークを迎え、その後減少します。
インフルエンザの流行気はこまめにうがい手洗いをし、人込みに行く際はマスクをするようにしましょう。
気管支喘息
一般的にぜんそくは気管支喘息(きかんしぜんそく)のことをさし、慢性的に気管支(または気道)の粘膜が炎症をおこす病気です。
呼吸困難の発作や喘鳴(ゼーゼーやヒューヒューと音を立て息苦しくなる状態)、咳などの症状をおこします。
ぜんそくの原因は様々ですが、多くは気管支にアレルギー反応が起きて発症します。その他にも、運動や薬剤が原因となって発症することがあります。
治療について
ぜんそくの治療については、気管支の炎症を主に吸入ステロイド薬をつかってコントロールしていくことが一般的です。
また、症状によっては、気管支拡張作用のある注射をしたり、点滴をすることで炎症をおさえます。
症状が改善しない場合は入院をして治療することもあります。
ぜんそくは、お子様の代表的な呼吸器疾患としても知られていますが、成人になって発症することもあります。
ぜんそくの症状が疑われる場合は、ぜひ当院にご相談ください。
アレルギーの病気について
私たちの体には、外部からウイルスなどの異物が入ってきた際に、抗体を作って異物と戦う「免疫」という機能があります。 アレルギーはこの免疫反応が、特定の物質に対して過剰に起こる反応のことをいいます。
花粉症について
花粉症は、I型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患の一つで、植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされます。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴です。
治療について
治療には症状を抑えることが目的の対症治療と、花粉症そのものの治癒を目指す根治治療があります。また、症状が出る前から予防的に薬を服用することを行う初期治療もあります。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向がありますので、できるだけ早期に当院を受診してください。
アレルギーそのものが起こらなくするようにする舌下免疫療法という治療もあります。
アレルギーが起こる原因は解明されていませんが、生活環境の変化や特定の物質に異常に置くさらされているため、また、遺伝などともいわれています。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、下記のものが有名です。
- スギやひのきなどの花粉
- 食物や薬物
- ダニ
- ハウスダスト
上記のアレルゲンに、免疫が異常反応をおこし、かゆみや痛み、時には呼吸困難などの発作を引き起こします。
また、アレルギーがもとで起こる代表的な疾患には、代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、 アレルギー性胃腸炎、気管支喘息、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹があげられます。
また関節リウマチといった膠原病や円形脱毛症も自己免疫疾患による一種のアレルギー症状になります。
検査
治療の前に、アレルゲンの特定をするための検査(パッチテストや血液検査)を行います。
1つだけでなく、複数のアレルゲンに対して反応がある方も多いため、複数の反応を一度に検査します。
ドロップスクリーン検査
当院では、アレルギー検査にドロップスクリーン検査を導入しています。
ドロップスクリーン検査の特徴
- 血液1滴で41種類のアレルギー検査ができる
- 測定時間は約30分、当日に検査結果をお伝えできます。
- 保険適用可、3割負担で5,000円(別途、診察料などかかります)
治療
治療については、何に対するアレルギーかによって様々ですが、最も基本となる治療は原因抗原の回避と除去です。
花粉症等の場合など、薬物による対処療法や、一部免疫改善の療法もあります。
まずは、検査をして、また、生活環境などもお伺いしたうえで、適切な対応をいたします。
ご心配な方も遠慮なく当院にご相談ください。
スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎は舌下免疫療法という治療を行うことでアレルギーそのものが出なくなる効果が期待できます。
睡眠時無呼吸症候群
(SAS)について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に何回も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。
睡眠中に緩んだ舌が喉に落ち込んで気道を塞ぎ、呼吸が止まることにより目が覚めやすくなり、深い睡眠も少なくなります。
十分な時間寝たつもりでも、深い睡眠が取れていないため、昼間に眠たくなり、居眠り運転事故や労働災害を起こしやすくなります。
この病気は、太った人に多いと思われがちですが、日本人の特徴である「短く平らな顔」「小さなアゴ」「喉が咽頭近くにある」などにより太っていない方でも起こる可能性があります。
適切に検査・治療を行えば決して怖い病気ではありません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)による主な症状
- 大きなイビキをかく
- 日中いつも眠い
- 居眠り運転をよく起こしそうになる
- 夜間の呼吸停止
- 夜中に何度も目が覚める
- 起床時の頭痛やだるさ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)によるリスク
日本の高血圧患者さんのうち10%が睡眠時無呼吸症候群を合併しているといわれています。
睡眠時無呼吸症候群を疾患すると次の生活習慣病のリスクが高くなります。
- 高血圧約2倍
- 心疾患約3倍
- 脳血管障害約4倍
- 糖尿病約1.5倍
- そのほか多血症、肺高血圧、不整脈など
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の交通事故への影響
近年、睡眠時無呼吸症候群が関連する交通事故や居眠り運転が原因の交通事故がマスコミ等でも多く取り上げられています。
改正された道路交通法では、自動車の運転に支障を及ぼす恐れがある病気として免許の拒否ないしは取り消し等の事由となる疾患の中に「重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」が含まれています。
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者さんは健常者よりも約7倍交通事故の発生率が高い!
検査(簡易型による自宅検査)
ご自宅で検査を行うことができます。
検査はご自宅で簡単に行うことができ、テープでセンサ(睡眠時無呼吸症候群の診断及び症状の度合いを測るための装置です。)を貼り付け、本体のボタンを押して検査をスタートさせ、いつもどおりお休みいただくだけです。
この検査では、睡眠中の呼吸の状態・血液中の酸素飽和度などを同時に測定し無呼吸低呼吸の有無を知ることができます。
治療
CPAP(シーパップ)療法
CPAP(シーパップ)とは、持続陽圧呼吸療法で特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療として第一に選択される呼吸療法です。 CPAPと呼ばれる装置を睡眠時に装着していただきます。
鼻より空気を送り、閉塞した上気道をおし広げることによって、睡眠時の無呼吸をなくし酸素不足を解消することができ、睡眠の質を向上させることができます。
睡眠時無呼吸症候群が招く高血圧症や狭心症、心筋梗塞といった循環器の病気等、合併症を予防することもできると言われています。
CPAPを使うと、ほとんどの患者さんが使ったその日からいびきをかかなくなり、朝はすっきり昼間の眠気も軽くなり消えることもあります。
CPAPは正しく継続的にご使用いただくことが大切です。
その他の治療法
- 生活習慣の改善
減量、横向きで寝る工夫、アルコールを控えるなど。 - 口腔内装置(マウスピース)
下あごを前方に固定することで、空気の通り道を開きます。 - 外科的手術
気道閉塞の原因がアデノイドや扁桃肥大の場合など。
老人性難聴について
老人性難聴とは
加齢が原因で起こる難聴を老人性難聴といいます。
いわゆる耳が遠くなったと言われる状態のことでこれはどなたにも起こる変化ですので病気ではありません。
一般的には徐々に聞こえが悪くなり、高い音から聞こえづらくなっていき、次第に低い音も聞こえづらくなってきます。
また、言葉の聞き取り能力の低下により、音自体は聞き取ることはできますが、何を話しているのか分からないという状況がみられるのも老人性難聴の特徴です。
急に聞こえが悪くなった、聞こえづらさとふらつきやめまいがある場合など他の病気によって難聴が起きることもありますので「もういい年だから」と放置するのでは無く、気になった時に耳鼻咽喉科を受診し医師の診断を受けられることをお勧めします。
老人性難聴のリスク
老人性難聴のあまり知られていないリスクとして認知症になる可能性が高くなります。
聴力が低下している人と聴力が低下していない人を比べると1.9倍認知症になりやすい、ということが分かっています。
これは聴力が低下すると音が脳に伝わりづらくなり、脳への刺激が減ることで脳が衰えていくためです。
また、聴力が低下すると言葉の聞き取りづらさから人との関わりを避ける方が少なくありません。
社会的な孤立は認知症リスクを高める環境要因の一つです。
老人性難聴への対応
老人性難聴は生理的な変化のため、残念ながら薬や処置で症状を改善させられるものではありません。
しかし、聴力を改善させるための方法が無いわけでは無く、補聴器を活用することで聴こえの状態を改善することができます。
補聴器、と言われると耳が聞こえない方や重度の難聴の方が使用するもの、という誤ったイメージがある方もいらっしゃいますが、実は軽度の聴力低下の方から使用できるもので若くして聴力の低下が始まった方は上手に使用されています。
補聴器についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ご家族や周りの方へ
聞こえが悪くなってしまうとコミュニケーションをとるのが難しくなってきますので、周囲の方は次のことに配慮し心がけてください。
周囲の人は普通の大きさの声で、ゆっくりはっきり区切って話していただくことが一番大事なことです。
会話は口の動きや表情で読み取れることもありますので、正面から顔や口元が見える位置で話します。
騒音の少ない、なるべく静かな場所で話します。
何度も聞き返される場合は、別の言い方にかえます。
聞こえの状態について受診を希望される方はお気軽にご来院ください。
ご来院の際はご予約が便利です。
補聴器について
補聴器とは
補聴器は聴力の低下を補い、聞こえの状態を改善する医療用装具です。
よくある補聴器の誤解として
「うるさいばかりで実際には使いづらい」
「補聴器をつけても聞こえが良くならない」
などがあります。補聴器は眼鏡のように使用してすぐに状態が改善するものでは無く、お一人おひとりの聴力に合わせて調整する必要があります。
また、聴力が低下していると脳の音を認識する機能が低下しているため、脳の機能を回復させるまでは聞こえづらく感じることがあります。
補聴器の始め方
補聴器を始める際は補聴器の適応があるかどうか医師が判断します。
適応とは補聴器を使用することで聴力の改善が見込めるということで、残念ながら中には補聴器を使用しても聞こえの改善が見込めない方もいらっしゃいます。
また、補聴器は最初から購入する必要がありません。
補聴器の適応がある方はまず試聴といって実生活の中で実際に補聴器を使用していただき、継続して使用できるかどうか試していただきます。
補聴器の選び方
難聴の程度を検査する標準純音聴力検査と、人が発生した語音を検査音として使用する語音聴力検査などを行い、その結果を元に補聴器を選択します。
補聴器には耳穴式、耳掛け型、箱型がありそれぞれ使いやすさに合わせて選んでいただきます。その人の聴力に合ったものを選んで補聴器に慣れていただくことが重要です。
まず日常生活において、実際に補聴器を使っていただき、その結果をお聞きし、補聴器の出力を調整して、それを何度か繰り返し、最終的に音の大きさや程度を決めます。
補聴器の購入費は医療費控除の対象となります。
聴力の状態によっては身体障碍者認定を受けることができ補聴器の購入に補助を受けることができます。
診断書の作成もできますのでご相談ください。
当院の補聴器外来について
水曜日の午前中に補聴器外来を行っております。
詳しくはお電話にてお問い合わせください。
当院では、補聴器相談医と認定補聴器技能者が聴力の精密検査を行った上で、患者さんの聴力に最も適した補聴器を選び試聴していただいた上で、補聴器の購入も含め相談させていただいております。